世界のニュース

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4月30日 ポーランドの石炭掘削

ノイエ・チューリヒャー・ツァイトゥングより

Coal mine Wyoming 石炭と聞くと日本だと高度経済成長の日本を支えた資源として考えられることが多いかもしれませんが、実は多くの国では電力発電のほとんどを石炭が担っているんですよね。 環境大国ドイツですら石炭による発電はこれまでのところそれほど減っていません。 ただ、石炭の価格自体は石油の価格と同様に、世界的に下がってきているみたいなんですね。 採算がつかなくなっているところも結構あるようで、ポーランドの炭鉱なども大きな影響を受けているようなんですが、どうやら政府が介入することが決まりつつあるようです。

それによると、石炭掘削に関わるPGGという国営企業に1000億円規模の投資がされ、2017年には再び採算がとれるようにするんだそうです。 ただ、政府の介入を嫌がるEUの反応を見据えてか、とりあえず政府としては同じく国営の電力会社に投資し、同じく政府系金融機関も投資に関わるとのこと。

wikipediaの情報によると、ポーランドの石炭生産量はドイツに次いで世界9位だそうです。 そもそもドイツで総電力の45パーセント、ポーランドでは75パーセントを石炭が担っているということなのでかなりの量ということになりますよね。 北朝鮮ですら21位に入っているというのに日本は25位以内にすら入っていません。 日本語版ウィキペディアの情報によると、安価なオーストラリアの石炭が入ってきているということと、日本の石炭は薄い層になって埋まっているので採掘しにくい、ということが背景にあるみたいです。

ここの記事によると、二酸化炭素排出に対してのエネルギー生産に関しては、やはり石炭が最も効率が悪いようです。 同じ量のエネルギーに対し、石油よりも30パーセントほど二酸化炭素排出量が多く、天然ガスの2倍といったところみたいですね。

チェコでも同じような状況に直面していて、こちらでは政府が支出を拒んでいるようなんですが、いきなり石炭を止めてしまう、ということはなくとも、今後のエネルギー政策に関し、どこに投資していくか考えるきっかけになるといいですね。

4月29日 赤ワインの効能

オランダ放送協会より

Oakagingcolour 右の写真にすごい合わないんですけど、人の腸の中には100兆もの細菌がいるそうです。 これは、人の体の細胞の数より多いらしいんですね。 どの細菌が正確にどのように働いているのかはわかっていないんですが、食べ物の消化などに関わっているのは確かで、健康な人の腸の中身(笑)を注入する方法なども最近の医学に取り入れられているそうで、例えばデブなネズミの腸に健康なネズミの腸の中身を入れたら、デブなネズミも痩せた、という研究結果もあるそうです。

さて、日本でも善玉菌だのの話がいつからか有名になっていますが、赤ワインに細菌を増やす効果があることがオランダのグループの研究でわかったそうです。

この結果によると、赤ワインだけでなく、コーヒー、お茶、果物、バターミルクなどに同様の効果があり、逆に、牛乳、清涼飲料、スナック、ビールは逆の結果が出たそうです。 赤ワインとバターミルクはいいのにビールと牛乳はダメ、ってなんだかおかしな気もしますが。

でもこの結果も上に書いた通り、良い細菌を増やすのに役に立つのか、悪い細菌が増えてしまうのかはよくわからぬそうなので、今後、その調査が始まるそうです。 まあこの結果でとりあえずまた赤ワインを飲む言い訳ができたようです。

4月28日 森の二酸化炭素吸収

ルモンドより

Adirondacks in May 2008 年末にパリで、京都議定書に代わる、環境問題の新たな指針を定める会議が行われてたじゃないですか。 本来は1990年から二酸化炭素の排出量を(少なくとも先進国では)削減するはずだったのに、現実には20パーセントから30パーセントぐらい増えてるんですよね。 だいたいの影響はネガティブなんですが、研究の結果、実は森の密度も増しているんだそうです。

それによると、地球のすでに緑の部分の25から50パーセントで、緑化が進んでいて、逆に緑が失われたのは、モンゴル、アラスカ、アルゼンチンなどで、わずか4パーセントだそうです。 リンク先の記事の画像を見ていただければ分かりますが、確かに地球の多くの場所で緑化が進んでいるのがわかります。

なぜそうなったのかを詳しく計算してみた結果、どうやら二酸化炭素だけでなく、窒素や温暖化の影響も多く出ているそうです。 ちなみに窒素は、主に車の排気ガスからくるらしいんですが、植物の緑色の部分を作るのに大きく関わっています。

ただ、やはり喜ぶにはまだ早いようで、この研究ではどれだけ緑化が進んでいるのかを調べただけらしいんですが、どうやら本来木の葉が吸収する二酸化炭素は、木が吸収する二酸化炭素のうちのわずか1割程度らしく、他は全て根や、幹が吸収するんだそうです。 というわけで、二酸化炭素の吸収量の増加に大きくつながっている、ということはないみたいですね。

さらに、木が吸収する二酸化炭素の量は、人間が原因の二酸化炭素のうちの4分の1ぐらいだそうで、後の4分の1は海が吸収し、残りはやはり大気中に残るんだそうです。 と、いうことは、残念ながらやはり今回の研究結果で、人間が出す二酸化炭素が、木の増殖によって相殺されているとは言えない状況みたいですね。

今日のルモンドの記事によると、実はバイオエタノールなどの植物由来の燃料は、石油由来の燃料よりも約80パーセント多く二酸化炭素を排出することがわかったんだそうです。 二酸化炭素問題もなかなか難しいもんですね。

4月27日 南アメリカの憂鬱

エルパイスより

Comunidad de Estados Latinoamericanos y Caribeños 南アメリカの情勢に関してはここのサイトでも何度か扱っていているじゃないですか。 ベネズエラではダムの水が枯渇してしまったために、発電ができなくなり、今日から週休5日制になったとBBCなどで報道されています。

そんな中国際通貨基金では今年の南アメリカの経済にかなり悲観的な見方をしているようです。

そもそもが2014年に引き続き、南アメリカ全体では2015年も経済が後退したんだそうです。 これまで5パーセント代の成長がずっと続いていた中、2年連続で経済が後退するのは1983年以来だそうです。 (1983年に何があったんでしょうか・・・)。

経済後退の主役となっているのが、ブラジル、アルゼンチン、ベネズエラ、エクアドル。 それぞれの国が最近経済の問題で有名になっていますよね。

特にベネズエラに関しては、今年のインフレ率が720パーセント、来年は2200パーセントと見積もられているそうです。 日本では麻生太郎がカップ麺400円とか言っていたことがありますが、100円のカップ麺が今年末には820円になり、さらに来年末には1万8660円になる、ということですな。

これらの国はなんといっても、原油と原材料に頼ってた部分が大きいですからね。 中国の経済停滞についてこれていない感じがありますよね。 なんにせよ、南アメリカの国は政治的不安定な状況にあり、すぐに問題が解決するようには見えないですね。

アメリカ内でもかなりばらつきがあり、合衆国やカナダ、メキシコなどでは今年も来年も、さらには再来年も少しながらも経済発展が見込まれているようです。

4月26日 独ビニール袋有料化

ツァイトより

いきなりですが、右のグラフはEurActivのデータから来ていて、EUのそれぞれの国の一人当たりの使い捨てビニール袋の量(赤)と、繰り返し使えるビニール袋の量(黄色)を表したグラフです。 東側の国と、南側の国で使用量が多いことが伺えますね(いつものパターンですが)。

ここのページの一番下まで行っていただけるとわかるんですが、最近EUでは、2019年までに一人当たりのビニール袋の使用量(どうやら使い捨てかどうかには関わらないようです)を90枚以下、2025年末にはさらに一人当たり40枚以下にまで抑えるっていう新たな指針を出したんですよね。 それを受けて、フランスでは50マイクロメートル以下の厚さの買い物袋用のビニール袋は原則廃止されることになったっていうのが今月最初の記事だったんですが、ドイツでは原則有料にする指針を出したんだそうです。

ただ、不思議なことに法整備があったわけではなく、取引組合と環境大臣の取り決めがあっただけっていうことで、しかも具体的にいくらか決まったわけじゃないんだそうです。 というわけで、それぞれの店がそれぞれにいくらか決めることになるみたいなんですね。

ただ、現実問題として、ドイツ人の80パーセントが買い物袋を有料化することに賛成していて、さらに50パーセント以上がビニール袋を完全に廃止するのに賛成していたことから、有料化しているスーパーの方が客を集められる可能性が高いことを考えると、あえて法整備する必要もないのかもしれません。

大きな店では5セントから2ユーロ近くまで色々な額を取っているらしく、さらにそもそもビニールでなく、綿や紙の袋しか提供しない、というところも多いみたいですね。

ヨーロッパのスーパーでビニール袋がタダでもらえるということは基本的にありませんが、僕は例えばこの前服を買いに行った時に、レジで何も言わずにいたら、買った品物をビニール袋に入れて渡されました。 こういうのも一切なくなって、ビニール袋がヨーロッパから消える日も遠くないのかもしれません。

4月25日 ISへのサイバー爆弾

ニューヨークタイムズより

何サイバー爆弾って、って思った方もいらっしゃるかもしれませんが、もはや最近はニュースでおなじみのサイバーアタックのことをこの記事ではそう呼ぶことにしたみたいです。 これまで、合衆国がイランに対してサイバーアタックをしていたことは知られていたんですが、この度イスラム国に対してもサイバーアタックすることにしたんだそうです。

よく話に出てくるサイバーアタックって、サイトをシャットダウンさせるぐらいの話じゃないですか。 今回の合衆国の作戦では、まずイスラム国の司令部の言葉遣いなどを学び、それに合わせて司令部からのメッセージの内容を改変し、戦闘員が合衆国の攻撃に有利になるような地域に自らいくように仕向けるんだそうです。 その他、イスラム国に志願する人たちも、だいたいネットで接近する場合が多いらしいので、それを遮断する目的もあるようですね。 なんだかメッセージを改変する、っていうのがうまくいくのか謎ですけど、まあうまくいかなくても、とりあえず本来のメッセージが届かないだけでもいいのかもしれないですね。

サイバーアタックは、国家の主権問題にも関わってくるらしく、基本的に他の国に使われることはないらしいんですが、今回イスラム国は国としてよりテロリスト組織として扱うとのことで、それで攻撃が正当化されるようです。 それでなぜ通常の戦争が国家間の主権問題に関わらないのかは謎ですが・・・。

他に、破壊被害評価(英語:Battle Damage Assessment)など、これまで一般的に軍で使われていた攻撃の威力の評価が定義しづらいというのが問題になっているらしいです。 要するに、この作戦で重要になってくるのが、どれだけ何もなかったかってことですからね。

アップルの暗証番号の問題が出てきたときにも同じような話になりましたが、そもそもサイバーアタックのための技術が存在すること自体、非常に問題があるようにも思えます。 今後、こう言った技術がどのように使われていくのか、厳しく見ていく必要がありそうですね。

4月24日 セルビアの総選挙

アルジャジーラより

最近はどこの国でもEU離れが騒がれているじゃないですか。 例えばイギリスでは6月にEU離脱に関する国民投票が行われることになっていて、オバマ大統領までEU離脱に反対する声明を出しているとBBCで報道されるぐらい緊迫した状況です。

と、言いつつも最近のフランス地方選挙や、ドイツの補選を見てみても、メディアや政治家が騒ぐほどにEUは不安定なわけでもなく、これまで割と落ち着いた結果が出ていますよね。 それを後押しするかのように、週末のセルビアでも似たような選挙結果が出たようです。

最大政党となったのが、EU寄りの姿勢を見せている、アレクサンダーヴチッチ首相率いる中央右派のセルビア進歩党で、第二政党には同じくEU寄りの社会党。 やっと第三政党で、反EUの極右政党が来たんだそうです。

セルビアといえば僕のブログでもここの記事などで紹介した通り、トルコからドイツに向かう道の通過点として、難民問題の舞台になっていわけで、ここで反EUの政党が当選してもおかしくなかったわけですよね。 しかも旧ユーゴの中でもロシア寄りだったことを考えると、ここにきて未だにEU寄りであることは驚きですね。

4月23日 厳格化する英大学

BBCより

Aston Webb Hall, Birmingham University アングロサクソンの国って、教育にビジネス的な部分が絡んできたりするじゃないですか。 QSランキングでも、上位10大学のうち、9大学を米英の大学が占めているのが伺えます (あんまり関係ないですけど、適当にいろんな教科で検索してみた感じだと、日本の大学ってもう完璧に中国に抜かれてるんですね)。 さて、イギリスではここのところ、学生のレベルアップのため、学生ビザを結構頻繁に断っているんだそうです。

具体的には、EU外からの申請で、ここ3年ほどは年間約3万件の申請が却下されているんだそうです。 また、学生ビザの対象となる施設も2013年には1706施設あったのが、去年の終わりごろには1405施設にまで減ったとのこと。

あえて一定数却下するのは、システムの悪用を防ぐためで、教育の質を上げるためとは言っているんですが、その一方で、却ってイギリスの教育の質が下がってしまうのではないかと、懸念する声も上がっているそうです。 なんにせよ、イギリスの大学のビザの申請数は2010年から17パーセント上がり、特にラッセルグループに加わる大学では39パーセント上がっているというので、行政の側としては成功しているということにしているみたいですね。 ただ、シュピーゲルの記事によると、ドイツに大学に入るための学生ビザの申請数は2009年からの5年間で倍以上に増えているらしいんで、単純に発展途上国の学生などが増えているだけってことかもしれないですが。

イギリスの大学の学費は年間200万円ぐらいかかるっていう話は去年の暮れぐらいに書いたじゃないですか。 最近ツァイトの記事でも、日本の大学で文系の教科が危ないっていう話が書かれていました。 基本的にそれぞれの学部がそれぞれに資金を集めるっていうビジネス式になっていて、企業の直接的な興味の対象にならない文系の教科にはお金が回らないっていうことみたいですね。

実際、このビジネス型の考え方は日本だと学生にまで影響が出てるみたいで、かなりの額の借金を背負って大学を卒業する人も多いみたいですね。 合衆国でも、卒業時に学生が平均3万ドルほどの借金を抱えているそうで、あとは勝手にやれ、ってことなんですかね。

でも確かに、日本とかって学問に対する姿勢がヨーロッパとかとは結構違って、競争ばっかりで、興味とか関心とか完全無視の教育が多いじゃないですか。 そういう意味では、「じゃあ文系の教科ってなんのためにあるの?」っていきなり考えるのは難しいかもしれません。 ヨーロッパだと大学の勉強が自分自身を構築するためにある、っていう考え方が強いので、その人の個性とかも大学の勉強とよくリンクして考えられます。 例えば日本だったら「あの人は大阪の人だから」とかみたいな言い方をよくするじゃないですか。 こっちだと、「あの人は生物専攻の人だから」みたいな感じの話し方をよくするんですよね。 それだけ、「自分は何がしたいんだろう」っていうのが大学の勉強に反映されているっていうことみたいですね。

4月22日 QWERTY効果

エルパイスより

Keyboard QWERTYって聞いてなんのことかすぐにわかりますかね。 日本ではそもそもが問題にならないのでピンとこない方も多いかもしれませんが、キーボードの左上の文字の配列のことなんですね。 なぜそもそもそんなものに名前が付いているのかというと、実はヨーロッパにはQWERTYの他にQWERTZとAZERTYというのがあり、それぞれドイツ語用、フランス語用のキーボードなんですが、国によってキーの配置が違うために、一般的にそう呼ばれています。

さて、なんにせよこのQWERTY、左手で打つのが15文字、右手で打つのが11文字というのが一般的なようですが、実はどちらの手で打つかによって、僕らの単語の使い方にも影響が出ているんだそうです。

元の始まりは2014年の新生児に一番多かった名前のランキングが特徴的であったことなんだそうですが、どうやら左右バランスよく打つか、右手で打つ文字が多い方が好まれる傾向にあるんだそうです。

確かにランキングを見てみると、男の子は一位から順番にNoah, Liam, Masonと続き、女の子はEmma, Olivia, Sophiaと続くので、わりとバランスよく、でもちょっとだけ右手を使う頻度の方が高い、という名前が多いみたいですね。

さらに、実は子供の名前だけでなく、ユーチューブやアマゾン、本や映画などでも同じように右手で打つ文字が多い名前の方が人気があったんだそうです。

他の調査で、学生に1000単語ポジティブかネガティブかでカテゴリー分けしてもらったらしいんですよ。 そしたらなんとやはり右手で打つ文字が多い単語の方がポジティブに評価されたんだそうです。 この結果は、英語、スペイン語、ポルトガル語、オランダ語、ドイツ語で同じように見られた訳なんですが、ドイツ語の場合YとZの配置が逆になり、やはりその分だけ評価も逆になるんだそうです。

一応日本の名前のランキングも見てみたところ、確かに男女それぞれのトップ5位で、左手で打つ文字の方が多かった名前は「蓮」だけでした。 左右同じなのは陽向(ひなた)と大和だけで、残り7件はすべて右手で打つ回数の方が多いです。

商品名とかを考えるのに重要になりそうなんですが、それよりこの記事見てて思ったんですけど、僕の苗字って早稲田なんですよ。 このロジックでいうと消えゆく運命の名前ですね・・・。

4月21日 中国の配達人

新華社通信より

20080804 freight bicycle Shanghai 2383 中国人ってものすごい働きそうな気がしますが、OECDの調査の対象になったりは(まあOECDの加盟国じゃないんで当然ですけど)しないので、統計的なデータがあまりない上に、そもそも中国自体都市部と農村部での差が激しそうなので、中国全体の統計を出されても困るんですが、ガーディアンの記事によると、年に2000から2200時間ぐらいだそうです。 一応日本は公式には平均1729時間ということになっているので(現実にはどうか知らないですけど)、日本人よりもだいぶ働くってことみたいですね。 さて、今日は国全体の社会を知るのとはちょっと話題が違うんですが、中国の自転車配達人の話が新華社通信に出てたので載せてみました。

中国全体で1日に約120万人ほどの配達人が働いていて、1日に配達する件数が1億を超える日もあるそうです。 さて、気になる労働時間なんですが、朝5時起床、6時には仕事に出ていて、夜の6時まで続くそうです。

それだけならまだいいんですけど、なんと一年で休みは旧正月のみ。 というわけで、一年のうち360日ぐらいでしょうか、毎日10時間以上も仕事をしているそうです。 さすがにここまで働く日本人もそんなにいないんじゃないですかね。 そのためか、老けるのも早いらしく、30歳でも40歳を超えているぐらいに見えるそうです。

1日に配達する量は100件を超えていて、月に3000件、携帯での通話時間は約67時間にも及ぶそうです。 女子高生もびっくりですね。

これで一月に稼ぐ額は約5000元(約8万4500円)。 なかなか辛い世界ですね。

4月20日 蚊対策の広告

UOLより

Aedes aegypti during blood meal かつてブラジルはBRICSの一国として、夢の国のような言われ方をしてたじゃないですか。 ここ数年、というかむしろ去年一年間で全て始まったような気もしますが、経済危機、政府の汚職問題とそれに関する弾劾裁判、ジカ熱と一気にきましたよね。 弾劾裁判に関しては先週末に下院で3分の2の承認を得て、上院での承認を待っている状態なんですが、上院では過半数を越えれば通過するので、まずまず弾劾裁判になるだろう、との見通しのようです。

当然そんな中でも経済危機が回復してくれるわけでもないじゃないですか。 今日のこの記事によると、この一年でブラジル人が外国で出費した額が10・7パーセント減り、2010年以来最低。 さらにここの記事では2月の失業率が10・2パーセントになり、2012年以来最高値を出した、などと連日のように暗いニュースが流れています。

そんな中、蚊の対策として、リオデジャネイロでは変わった手法が取り入れられているようです。

Arrêt de bus VFD Anthon Mairie日本だとバス停に広告があるっていうことはあまりないかもしれないんですが、諸外国ではここの写真(これはフランス)のように、バス停に直接広告があるんですよ。 ここのところに、蚊を引き寄せ、脱水死させるという装置が開発されたんだそうです。

具体的には人の汗からも出される乳酸と、人の息から出る二酸化炭素を引き出し、最大4キロ先までの蚊をおびき寄せるんだそうです。 そんなに良い鼻をしてるんですね。

ここの記事などでもわかるように、一週間ほど前に合衆国で、ジカ熱が小頭症に関連しているということが科学的に立証されたんだそうです。 ブラジルにいたら当然蚊なんてどこにでもいることを考えると脅威ですね・・・。

4月19日 オランダの刑務所

オランダ放送協会より

Prison cell block 最近プリズン211っていう映画を見て、映画の中とはいえ、少し刑務所内部の様子がわかったんですが、例えばパリにあるマリーントワネットが投獄されていコンシェルジュリーなどを見ても、牢獄の中ってけっこう暗いイメージがありますよね。 意外なことに、牢獄も国によっては現代化の波について行っているようで、オランダでは囚人にタブレット端末を渡すことにしたんだそうです。

具体的に何が目的なのかよくわからないんですが、どうやら自分だけで時間を過ごせるようにしてもらおう、っていう風な感じに見えます。 これに関しては、ウィキペディアの記事にも書いてある通り、刑務所にフィットネスジムのようなリクレーション施設を作ることに、暴動などを防ぐ効果があるらしので、そういう狙いがあるのかもしれません。

この記事には、タブレット端末で囚人が、講座を受講する、テレビを見る、買い物をするなどのことができるようになる、と書いているんですが、買い物って具体的に何を買うんでしょうか・・・。

日本の刑務所は携帯電話などの持ち込みは一切禁止されているようです。 この記事などを見てもわかるように電話ですら刑務所によっていろいろ判断が分かれるみたいですね。

4月18日 量子力学と人の勘

ネイチャーより

Hydrogen Density Plots 19世紀ごろ、電磁力学と、熱力学などがほぼ完成し、当時の物理学者は、これでもう新たに科学の世界で新たな定理を発見することはなく、観測の精度を上げていくだけになるだろう、というふうに考えていました。 当時は物理自体が単純にわかっていることから演繹していくだけの学問でしたからね。 少しずつ物事の仕組みが解明されていくうちにそういうふうに思ったんだと思います。

ところが、それではハッピーエンドにならず、物理学の中でわりと単純に扱われがちな電子と光に思いもよらぬ性質が発見されました。

まず、電子ですが、かつて古典力学では例えば砂の粒みたいな物質として考えられていたんですよ。 で、もし砂の粒なら例えば一箇所に集中して投げたら、まず中央に当たる粒の数が一番多くて外側に向かうにつれて当たる量が少なくなるはずじゃないですか。 ところが、電子の場合、中央が一番多いのはそうなんですが、外側に向かうにつれて、当たる数が少なくなり、多くなり、というのが順番に続くんですね。

さて、次に光ですが、光には重さがないじゃないですか。 だから物を動かす力もないはずなんですが、ところがどっこい、なんと光が「ぶつかる」という現象が観測されました。

これが、簡単に言うところの量子力学の始まりです。

上にも書いた通り演繹的に始まった古典力学ですが、まずこの現象の説明がつかないことと、つけた説明の意味が本人にすらわからない、という事態が発生します。 それ以来100年ぐらい経った今、なんと携帯のアプリを作ってみたら、実は普通の人の勘でいろんな問題が解ける、ということが発覚したそうです。

詳細はここのページから見ていただければわかりやすいと思うんですが、まず物質が物質ではなく、波の一部のような形で表示されています。 ここに、エネルギーの壁を当てると、一定の確率で壁の反対側に波が移るっていうゲームみたいですね(詳しくはウィキペディアの量子力学のページをご覧ください)。

このゲームを300人に計12000回やってもらい、その結果を実際の公式に当てはめてみたところ、実はコンピューターで計算するよりも早く結果が出ていたことがわかったそうです。

ビッグバンセオリーなどを見てた方ならご存知かもしれませんが、確かに量子力学の世界にはコンピューターゲームが好き、という人が多いです。 この研究結果で、コンピューターゲームの勘がいかに物理で大切か、というのが具体的に裏付けられたみたいですね。

ちなみに僕は、「勉強したら馬鹿になる」という親の方針のもと、高校受験の時まで家で勉強することは基本的にはなく、コンピューターゲームばかりやっていました。 今、研究プロジェクトを3つ担うようなポジションについているのが、まるで夢のようにも思えますが、ひょっとしたらむしろそれでよかったのかもしれません・・・。

4月17日 9・11とサウジ

ニューヨークタイムズより

North face south tower after plane strike 9-11 第二次世界大戦終戦から20世紀後半を飾った冷戦が終わり、合衆国の会計黒字がビルクリントン時代に過去最大になったわけなんですが、これで平和が来たと思いきや、今度はソ連のような国ではなく、テロ組織との戦いになりましたよね。 それの始まりともなったのが9・11ですが、実はこれとパールハーバー以外合衆国では外国の勢力が国内を直接攻撃したことはないんですよね。 その後、報復の対象となったのはアルカイダで、アフガニスタンとパキスタンにまたがる山岳地帯が主な戦闘地域になったわけなんですが、そもそもハイジャック犯19人のうち、15人は実はアフガニスタンでもパキスタンでもなく、サウジアラビア国民だったんだそうです。 さて、現在このことをめぐり合衆国とサウジアラビアの間で外交問題に発展しかねない状況だそうです。

これまでの合衆国の内部調査では、サウジアラビア政府と政府高官の直接の関連は認められていないそうなんですが、この「政府高官」というところがネックで、「じゃあ政府の下っ端の方では関わりがあったんじゃないか」という風にも見られるみたいなんですね。 そういう背景もあり、合衆国議会の超党派グループはこの度9・11の遺族と連携して、サウジアラビア政府の責任を認める決議案を出したそうです。 これとは別にオバマ政権になってから拡大していたサウジに対する武器輸出も制限するの方針のようです。

当然サウジ政府は反発するじゃないですか。 現在サウジが保有する7500億ドル(約82兆円)分の資産を盾に合衆国政府を脅しているそうです。

ただ、実際には7500億ドルほどの資産が同時に売るのは、現実的に難しい上に、もし仮に全て売られたとしたら、ドルの価値が大幅に下がることになり、現在ドルと固定されているサウジの通貨、リヤルも大損失を受けることになるんですよね。 だからどっちみち現実にサウジが保有する合衆国資産が同時に手放されることはないだろう、とみられているようです。

ただ、現在イランと合衆国が関係修復を狙っていることで、どっちみち合衆国とサウジアラビアの関係は冷え込んでいるじゃないですか。 しかもサウジアラビアが合衆国の最大の武器輸出先であることを考えると、これ以上関係を悪化させるわけにもいきません。 と、いうわけでオバマ政権側は議会に圧力をかけてこの決議を通さないようにするみたいです。 仮に通った場合、大統領拒否権が発動されるのか、そして拒否権発動の場合合衆国国民がどのように反応するのかは見ものですね。

4月16日 フランス大統領のその後

ルモンドより

Nicolas Sarkozy (2008) サルコジ前大統領やその前のシラク大統領の名前を覚えている方も多いかと思いますが、今生きているフランスの元大統領が何人いるかご存知の方はいらっしゃいますかね。 正解はサルコジ、シラク、デスタンの三人。 「ですたん」とうって直接変換されないところを見ると、日本ではあまり有名ではないのかもしれませんが、デスタン大統領は、おそらく現代フランス史でシャルルドゴールと並んでぶっちぎりで有名だったミッテラン大統領の前の大統領です。

日本だと森喜朗さんとかが今でも結構重要な役職についてたりしますよね? ヨーロッパでは、一度国のトップになった人が、再び政治に関わることは少なく、だいたい日本でいうと現在の村山元内閣総理大臣のように、個人としての活動をする方が多いのですが、それでも国が完全に見放すということはなく、それぞれの大統領に国費からそれなりの出費があるようです。 いくらぐらいでしょうか?

三人合わせて、年間合計960万ユーロ(約12億円)だそうです。 結構シャレにならない額ですね。

ミッテラン時代の1985年に出来た法律で、元大統領には秘書官?(Chef de cabinet)が一人、アシスタント二人、国家公文書管理局員?(fonctionnaire des archives nationales)が一人、記録用秘書が三人つけられるんだそうです。

これに加えて、国家警察から二人警護が配置され、自宅と別荘がそれぞれ警備されるそうです。

合衆国でもウィキペディアの記事によると同じ仕組みがあるようで、給料は一人20万3700ドル(約2180万円)、さらに夫人に2万ドル。 オフィスとスタッフには最初の30ヶ月は15万ドル支払われ、そのあとは9万6000ドル。 セキュリティーに関してはあまりちゃんと書かれていないんですが、生涯つくそうです。 ここのサイトによると、セキュリティーを除いて全部で325万ドル(約3億5000万円)。 おそらくセキュリティーが一番高いと思われるので、直接的にフランスとは比べられませんが、合衆国大統領にはまだ、ジミーカーター、ジョージブッシュ(父)、ビルクリントン、ジョージブッシュ(子)の四人がいることを考えると、やはりフランスの方が高いように見えますね。

日本はウィキペディアの記事によると、元総理大臣の衆議院議員はセキュリティポリスの警護対象になるようですが、残りの人は自ら警護をつけてるみたいですね。

その他のことに関しては見つからなかったんですが、日本の場合、ぱっと総理大臣一覧を見ただけでも、野田佳彦、菅直人、鳩山由紀夫、麻生太郎、福田康夫、小泉純一郎、森喜朗、村山富市、羽田孜、細川護煕、海部俊樹、中曽根康弘の12人が生きてますよね(これで合ってますかね)。 そんな一人ひとりにそんな支出はできない、というのと、そもそも日本の政治家って政治史に名を残すような業績をあげる人もいない(事実こちらヨーロッパの人も、韓国だったら金大中、中国だったら毛沢東や習近平などの名前が出てくるのに日本の政治家の名前は一つも出てきません)ので、テロにあったりする危険もないので警備も必要ないのかもしれません。

4月15日 ドイツの風刺

ツァイトより

風刺ってなんのことかわからないっていう方はさすがにそれほどいないと思いますが、日本ではあまり馴染みのないものですよね。 ここ、ヨーロッパでは各国の首脳を馬鹿にするのが普通で、例えばこちらはオランド大統領の風刺映像メルケル首相の風刺映像などがあります。

まあドイツやフランスならいいんですけど、割と政治の権力が強い国、例えばトルコではそういうことをしたら職を失うだけでなく、法的に処罰される可能性もありますよね。 さて、もしドイツやフランスの記者がトルコのエルドアン大統領の風刺映像を公開したらどうなるでしょうか。 まさにこの状況がトルコとドイツの間で起こり、政治問題になりそうな様子だそうです。

具体的に問題になっているのがこの右の映像。 英語訳を見ていただいてもわかるかもしれませんが、上のオランド大統領やメルケル首相のと違ってはっきり言って面白くもなければ知的でもないんです。 ただ、ドイツでは表現の自由が保障されている以上、このような映像が問題になることは基本的にはありません。 今回の件は、エルドアン大統領から直接起訴するように要請が来ていたんだそうです。

当初ドイツでは表現の自由を尊重しない国の長が何を言う、という感じで嘲笑していた感じだったんですが、政治的、というか地理的にトルコって最近は難民問題の影響で結構需要じゃないですか。 その点でメルケル首相も屈さざるをえなかったようです。

ただ、それとも関係なく、そもそもが風刺が法的に処罰の対象になるかどうかって政治が決めることではなく、司法が決めることじゃないですか。 だからあえてこの問題を司法に回すことによって、ドイツとしても(割と独裁的な)エルドアン大統領に対するメッセージを送る狙いがあったとも見られています。

最近日本でも政治に反対するキャスターが交代されていっているみたいですね。 僕としてもクローズアップ現代の国谷裕子さんが降板になったのが印象的です。

もうすでに一回引用させてもらってますが、朝日新聞の記事のむのたけじさんの講演から:

報道は、国家のためにあるわけではなく、生きている人間のためにあるんです。つまり、国民の知る権利に応え、真実はこうだぞと伝えるわけだ。公平か否かを判断するのは、それを読んだり見たりした国民です。ひどい報道があったら抗議をすればよい。総務大臣が決めることじゃないんだ。そんなのは言論弾圧なんだ。

今回のトルコとドイツの問題でも表面化しましたが、誰かが言った何気ない一言が、あっという間に世界一周するような時代になりました。 これだけたくさんの国があり、多様な文化がある中、それぞれの国家がルールを作って全員従う、という考え方自体間違っているのかもしれません。 だから、どの国も統制しないのか、それとも世界で統制するのか、一種の分かれ目に来ているのかもしれません。 僕らに課せられた責任も大きそうですね。

4月14日 フランス、学歴の男女平等

ルモンドより

2014 Gender gap index world map, Gender Inequality Distribution いきなりですが、右の図は世界男女格差指数を色別で表した図です。 パッと見てわかったかもしれませんが、緑色が濃ければ濃いほど平等で、赤いのは男女差別が大きい国です。 予想通り、西洋は男女平等な国が多く、アジアは逆なのが伺えますね(とは言っても、なぜかフィリピンだけ結構評価が高いのが気になりますが)。 さて、僕の住むここフランスでは学歴面での男女比が逆転したんだそうです。

そもそもフランスでは1960年代以前まで、高学歴の女性は家事をしないというふうにいうふうに言われていたんだそうです。 ただ、今日偶然ノイエ・チューリヒャー・ツァイトゥングでもほぼ同じ内容の記事があって、実はスイスでもすでに学歴面での男女比が逆転しているだけでなく、学校の成績も女性の方がいい、ということがわかっているそうなんですが、現実には男性の10人に9人が育児休暇を取らないのに対し、女性は10人に2人なんだそうです。 要するに家事をするかどうかはとりあえず学歴には関係ないということですね。

この結果を裏付ける感じになるんですが、給料面ではやはり男女比がかなり残っているそうです。 この記事のインタビューに答えるパリ政治学院の経済学者の話によると、ここの大学(というかグランテコール)を卒業した女性は男性よりも収入がおよそ30パーセントも低いとのこと。 スイスでも20パーセント近いみたいですね。 日本は国税庁の発表によると、女性の給料は男性の給料の60パーセントぐらいでした。 やってらんないですね。

給料の開きに関しては、やはり仮に例えば考古学で博士号を取ったとしても、修士までしか行かなかったエンジニアには及ばない、などということも関わってるみたいですね。 これに関しては、この記事によると、全く同じ図形の問題を「幾何学の問題」といって出すか、「絵画の問題」といって出すかによって男女の成績が逆転したんだそうです。 理系、文系の男女差も、案外思い込みの部分が強いだけなのかもしれません。

ちなみにワールドエコノミックフォーラムの情報によると、日本は高校まで男女格差はなく、大学になると男性の方が女性より10パーセントほど多くなるようです。 なんにせよ教育と医療に関しては男女差別が全くないのに、経済や、政治面ではとてつもない開きがありますね。

ちょっと話がずれるんですが、この記事によると、男性の知能が高ければ高いほど、精子の質が上がるんだそうです。 要するに、生物学的にも賢い男性の方が魅力的、ということになりますよね(まあ魅力に直接つながっているかに関しては別に裏付けがあるわけじゃないですが)。 男の子がバカだと、女の子には退屈な社会になってしまうんだろうか。 これまで女の子が妥協してきてくれたわけですが、今度は男の子に頑張ってもらいたいですね。

4月13日 ドイツの議会

シュピーゲルより

Reichstag building Berlin view from west before sunset 大日本帝国憲法ってドイツの憲法が強く反映されてたわけじゃないですか。 今でもドイツの選挙制度って日本と結構似たようなところがあるんですよね。 と、いうわけでドイツの下院、ブンデスタークは日本の衆議院とあまり変わらない仕組みなんですが、定数が598人のところ、現在議員が約630人いて、次の選挙では700人にも800人にもなるかもしれない、と言われているそうです。 どういうことでしょうか。

本来の598議席のうち、小選挙区と比例区が半々で299議席という風になっています。 小選挙区からはその名の通り地域内の当選者を一人選び、比例区は州内、例えばバイエルン州などから代表者を選びます。

ただ、この比例区の仕組みが複雑で、まずドイツ全体の比例区の票を数え、どの党が何パーセント得たか計算し、5パーセントに満たなかった党は却下されます。 その次に、全598議席のうち、それぞれの党が得票率に応じて何議席得たかを計算し、さらにそれぞれの州の得票率に応じて(およそ12万4000人につき1議席)州に分配されます。

あれ、全598議席を(小選挙区に関係なく)比例区の票だけで分けるのっておかしくない? って鋭いツッコミをする方もいらっしゃるんじゃないですかね。

そうです。 そこがミソで、実はこの配分された議席のうち、小選挙区の当選者の分を埋めて、残りは比例区の名簿から順番に埋めていくんだそうです。 例えば、キリスト同盟がブランデンブルク州で、小選挙区で3議席、比例で5議席獲得したとするじゃないですか。 そうすると、まずこの比例の5議席のうち、小選挙区で当選した3議員を入れ、残りの2議席は比例名簿から入る、ということになります。 ってことはそもそも小選挙区の意味がないじゃん、っていうことになりますよね。

事実、ないんです。

ただ、稀なケースとして、小選挙区の議席の方が、比例でもらった議席よりも多い、ってことがありえますよね。 要するに小選挙区ではみんな社会党に入れたのに、比例区では緑の党に入れて、社会党の小選挙区の議席は多いのに比例区での議席は少ないとか。

このケースに対応するために、2009年の選挙から、Überhangmandate、超過議席とでもしましょうか、というのが導入され、最低小選挙区で当選した議席分は、比例区に関係なく確保される、という制度になったんだそうです。

まず、これが議員の大幅増につながりました。

次に問題になったのが、比例区の得票率はドイツ全体で計算し、当選議席数を出してから、州内での得票率に応じて分配するわけじゃないですか。 で、例えばザールランド州で、自由党が小選挙区と比例区でどちらも5議席を獲得したとしましょう。 でももし比例区の得票がもう少し少なければ、小選挙区は5議席、比例区は4議席ということになり、どっちみち小選挙区分の5議席はもらえることになります。 その代わりに、比例区の得票がザールランド内で少しだけ少なかったとしても、ドイツ全体での影響はほぼないと考えると、比例区のこの減った1議席分は他の州に回されることになりますよね。 要するにザールランドで、比例区で自由党に投票した人は、自由党に投票してしまったために自由党の議席を減らしてしまったことになります。

これが憲法の保証する自由選挙にぶつかるということで、今度は2013年から、ある党が超過議席を得た場合、比例区の得票率の割合が変わらないように他の党にも議席を与えましょう、ということになったんだそうです (僕もちょっとこれで何が解決するのかよくわからず考えさせられました)。 これが、二つ目の議員数の増加につながったんだそうです。

最近ドイツは国内での論争が激しく、小さな政党がいくつもできているそうで、計算上可能な800議席に達することはなくても、その近くぐらいまで行く可能性もある、という風に見られているそうです。 どう考えても多すぎるだろ、ということで議論がしにくいということと、そもそも700人になった場合、現在よりも4100万ユーロ(約50億円)分支出が増えるということで、それをカバーするバカバカしさも指摘されているようです。

ちなみにコスト面での日独の比較が気になったので検索してみて発見したんですが、グーグルって単語入れると検索予想みたいなのが出るじゃないですか。 日本だと「国会議員」と入れると一つ目の予想が「国会議員 英語」(きっと英語訳ってことですね)そして二番目に「国会議員 給料」と出ました。 なんとドイツでも一つ目の予想が「国会議員 給料」(Abgeordnete Gehalt)。 みんな自分とそんなに関わりはないだろうに給料は検索してるんですね 笑。

気になる額ですが、ウィキペディアの記事によると、ドイツは月9082ユーロ(約119万円)。 同じくウィキペディアの記事によると、日本は月130万円だそうです。

国会議員は高いですなあ。

4月12日 ロシアの新紙幣

ガゼタより

Banknote 5000 rubles (1997) front ロシアの通過ってルーブルっていうんですけど使ったことある方いらっしゃいますかね。 ソビエト時代も同じ名前の通貨を使っていて、当時1ドルに対し、0・56ルーブルだったらしいんですが、ソ連崩壊後、恐ろしいインフレを起こし、1997年ごろには1ドルに対し6000ルーブルぐらいになったそうです。 要するに今使っている1万円札が1円ほどの価値になる、ということになりますね。 うまい棒が10万円で、カップ麺が100万円、といったところでしょうか。 旧ソの国の人に話を聞くと、現実にそういう状況だったようです。 その後、1998年に当時の1000ルーブルが新1ルーブルと定義されたんですが、その後もインフレを続け、さらにウクライナ情勢によって始まったロシアに対する経済制裁のため、現在1ドルが65ルーブルぐらいみたいですね。 さて、2015年のインフレ率が15パーセントを超えていたロシアなんですが、この度、新たな紙幣を導入することにしたんだそうです。

新たに導入されるのは200ルーブル札と、2000ルーブル札。 現在ある100ルーブル、500ルーブル、1000ルーブル、5000ルーブルの間になるみたいですね。 ちなみにユーロにも2ユーロコイン、20ユーロ札などの「2」シリーズがあります。 ただ、2から始まるお金がある通貨はインフレ率が低いことが基本となっているそうなんですね。 ロシアのようにインフレ率が高い国ではあまり望まれなさそうなんですが、どうやら、中央銀行の予想によると、今年のインフレ率は7パーセント前後、来年以降は4パーセント程度に落ち着くだろう、という風に見積もられているそうです。

また、ロシアの紙幣って基本的には地理系のモチーフが書かれているらしいんですよ。 例えば50ルーブルはサンクトペテルブルク、100ルーブルはモスクワ、という風な感じですね。 それに合わせて、200ルーブル札には、最近住民投票でウクライナから独立し、事実上ロシアに入ったクリミア半島を入れたんだそうです。 非常に政治的な意図が感じられますね。 ちなみに2000ルーブルはウラジオストク。 こちらは、適当に選んだんですかね。

ルーブルは、1セントに当たる1コペクから5000ルーブルまであります。 要するに50万倍の開きがあるっていうことになりますね。 インフレがすごい国、例えばイランなどでも同じような状況のようです。 新たな紙幣ですが、ロシアの経済危機がすぐには収まりそうにないことを考えると、いつまでやっていけるか微妙なところですね。

4月11日 ドイツのクルド人

ツァイトより

Kurdish-inhabited area by CIA (1992)シリアの北のほうでヤジディ教信者がイスラム国に迫害されているという話は、ここで書いたかどうかはよく覚えていないんですが、ご存知の方も多いんじゃないですかね。 この謎の多いヤジディ教の信者っていうのはどうやらクルド人なんだそうです。 さて、クルド人と言われてもあまりピンとこないかもしれませんが、実はクルド人の住む地域は北はトルコ、南はイラクに挟まれているわけなんですよ。 というわけで北はトルコ系、南はアラブ系ということになるんですが、このクルド人っていうのはインド・ヨーロッパ語族の言語を話す人たちで、人種的にはペルシャ人に近いわけなんですね。 そういった理由からか、クルド人はトルコからも、イスラム国からも迫害されているようなんです。 もはや国際社会も黙っていられなくなったシリア内戦。 このクルド人とトルコ人の闘争が、今度はトルコ移民で有名なドイツに波及しているようです。

スタティスタの記事によると、ドイツに住むトルコ系住民は約1500万人。 それに対し、クルド文化研究所のクルド人が占める割合はおよそ600万人ぐらいのようです。 ただ、そもそもクルド人全体の半数がトルコ人でもあることから、トルコ系のトルコ人とクルド人の割合は2対1ぐらいになると思われます。 そもそも、なぜドイツにこれほどクルド人がいるのか、って疑問に思う方も多いんじゃないですかね。 実はまさにこのクルド人とトルコ人の紛争を避けるためにドイツに来た、っていう人が多いみたいなんですね。

残念ながら、トルコ人とクルド人の対立はドイツでも続いているらしく、お互いの施設が放火に遭うなどの被害が頻繁に出ているようです。 ドイツの連邦憲法擁護庁もその辺は悲観的に見ているようで、今後、トルコ人とクルド人の関係が改善することを期待するのは難しいとのお箏を出しているそうです。

僕がドイツにいた頃、クルド人の友人もいました。 彼は、ドイツにいる箏を非常に幸運に思いっている様子で、トルコに戻ることはない、といったような感じでした。 逆に、僕がトルコに行った時、なぜかドイツにいるトルコ人の行動について謝罪してくる人が何人かいました。 どうやら、トルコではドイツに行ったトルコ人の箏を、一般的なトルコ人とは思っていないようです。 そもそもトルコの西の方では、トルコの東の方(ドイツへの移民が多い地域)について何も知らない、っていう人が多かったですからね。 単純にトルコ、でひとくくりに考えることが間違っているのかもしれません。

4月10日 フジモリ氏の再来

エルパイスより

Keiko Fujimori 2ペルーのフジモリ大統領の話題は結構前にも日本でありましたよね。 この人、日系二世なんですが1990年から2000年までペルーの大統領の職についてて、GDPを在任中に二倍にするという偉業を成し遂げたんですが、汚職問題や、反対勢力に対するコントロールなどで批判を受け、最終的に日本に国外逃亡したんですよね。 さて、今日ペルーでは大統領選挙があったんですが、娘のケイコ氏が立候補し、どうやら一番票を多く得たようです。

ただ、ペルーの大統領選挙では有効票のうち過半数を取らなければならないらしく、おそらくケイコ氏の得票は40パーセント前後になるそうなので、第二位と決選投票になる見込みのようです。 このケイコ氏ですが、現在40歳。 果たして大統領に就くほどの経験を積んだのかは謎ですね。

この決選投票なんですが、今日の選挙の二位と三位がそれぞれ中央と左寄りらしいんですよ。 だからこの二位以下がケイコ氏に入らなかった票をいかにすくえるか、ということがあり、また南アメリカ全体で最近、特にアルゼンチンやブラジルなどで見られるように右側に寄っていく傾向があるじゃないですか。 中央と左だと厳しいかもしれません。

ケイコ氏が大統領についた場合、父親を恩赦するのではないか、などということも言われていたそうで、反対運動もペルー内では盛んに行われていたようです。 確かに僕個人としてもフジモリ氏と言われると、なんとなく独裁のイメージがありますからね。 本人は恩赦しないと宣言していて、他にも父親からは距離を置くようにしているようですが、選挙のためのアピールなのか、本当に父親と異なった政治をするのか、まだよくわからないですね。

4月9日 シエスタの最後?

BBCより

Siestaシエスタってなんのことかわかりますかね。 南ヨーロッパの文化として有名で、簡単に言うと、お昼ご飯の後にスペインなどでは昼寝をする習慣があるんですが、この昼寝(またはその時間帯)のことを指すんですね。 読売新聞のこの記事にも書いてあるように、日本でも昼寝の効果に注目が集まり、採用する企業も出てきているみたいですよね。 本場スペインでは、伝統的に朝9時に仕事が始まり、昼2時から4時まで2時間お昼休みがあって、その後夜7時かもっと遅くまで仕事するっていうのが基本みたいです。 ただ、現在スペインではどうやらこれが変わっていくことになるようです。

簡単には4月3日の記事に書いてある通りなんですが、6月に予定されているスペインのやり直し選挙で、現職のラホイ首相率いる国民党は、就業時間を原則6時までにするっていう公約を出しているんですね。 これによって、おそらくシエスタの時間を削るのが一番現実的なようです。 実際の所これまでもずっと夜7時や8時まで仕事をするっていうのは、子供がいる家庭では非常にやりづらいと言われていたようなので、夜6時までの労働が望まれていたそうなんですが、失業率が20パーセントを超えるこの国(右の図参照)では、会社側の妥協を求めるのが難しかったようです。

Time zones of Europeまた、同じく4月3日の記事にも載せたスペインのタイムゾーンの話ですが、現在中央ヨーロッパに合わせているのを、イギリスに合わせることによって、就業時間が7時までから6時までに変わることを物理的には無効化するつもりだそうです。 ちなみにこのBBCの記事で初めて知ったんですが、実はスペインは1942年までイギリスと同じタイムゾーンだったんですよ。 それをフランコ将軍が、ナチスドイツに同調することを強調するために、あえて中央ヨーロッパの時間に合わせたんだそうです。

ただ、やはり伝統に根付いているということもあるようで、スペイン人はお昼になると家に帰って、その日の新鮮な素材を使って家族みんなで昼ご飯を食べる、という風にもなっているようなので、シエスタの2時間がいきなり消える、というのも簡単にいかないかもしれないようです。 また、現実問題としてスペインではお昼の時間帯に非常の気温が高くなるので、その時間に仕事をするというのはあまり効率が良くないかもしれません。

僕も最近は家に帰ってお昼を食べてそれから昼寝して午後の仕事に戻りますが、やはりそうなると2時間ぐらいかかりますね。 でも、僕の場合やっぱり昼寝すると午後の仕事の効率は飛躍的に上がります。 ただ、昼寝の効果が科学的に立証されることが多い一方、このBBCの記事にもあるように、昼寝のコントロールが難しい、という面もあるようです。 でも日本の場合は就業時間がどうとかいうより、通勤時間(僕の場合5分)をどうするかっていう問題が一番重要かもしれないですね。

4月8日 EUディーゼルの現実

ルモンドより

VW Golf TDI Clean Diesel WAS 2010 8983フォルクスワーゲンの排ガス問題は最近一息ついてきた感じじゃないですか。 おとといの朝日新聞の記事では日本国内の売り上げに大きな影響を及ぼしたようですが。 ただ、この度フランスの車の検査会社、UTAC-Ceramが調査したところによると、実際には他の会社でも実態はあまり良くなかったようです。

調査対象になったのはジープ、キア、日産、トヨタ、フィアットなど15社に及んだそうなんですが、ディーゼルモーターを搭載している車はなんと一台も実走のテストでEUの基準に合格しなかったそうです。 フォルクスワーゲンの時のようにイカサマがあったわけではないんだそうですが、どの会社でも完全に検査に合格するためのクルマ作りをしているそうで、はっきり言って消費者や、環境問題のことを考えているとは言えないようです。 まあ車業界きっとすごい競争ですからね。 どっちみち評価されない現実での環境問題に技術を使ってどうする、って感じもしますよね。

ちなみに基準に満たなかったメーカーのうち、一番マシだったのはBMWとプジョーで、ルノーとオペルが一番遅れを取っていたそうです。 フランスドイツ組でトップと最下位をシェアしてますね 笑。

問題となっている窒素化合物なんですが、実走テストでは基準の2倍から7倍排出されたんだそうです。 このディーゼルモーターなんですが、どうやら摂氏17度から35度で最も良い結果が出るらしいんですよ。 当然室内での調査ではその範囲に収まるわけなんですが、実走テストでは当然17度以下っていうこともあるんですよね。 そのため、今後、この検査も5度から40度までの範囲に広げられるんだそうです。

新たに決まったEUの基準で、2017年から2019年までに実走テストで窒素酸化物が基準の2倍まで許され、2020年までには1・5倍まで許されることに決まったんだそうです。 段階的にこの問題を解決することにしたみたいですね。 なんにせよ、ここのサイトを見ると、リヨンって東京よりも大気汚染が酷いらしいんですよ。 僕としてもディーゼルエンジンは、燃料効率がいいことで使って欲しいですが、大気汚染の原因になる以上、大都市などで使うのは難しいのかもしれないですね。

4月7日 オランダの国民投票

オランダ放送協会より

Flag of Ukraineオランダの、と書きつつウクライナの国旗が出てるとはどういうことじゃ? と思った方も多いんじゃないでしょうか? 日本では読売新聞でも朝日新聞でも報道されていないようなので、知らなかった方も多いかと思いますが、実は昨日オランダでは国民投票があったんですよ。 話題となっているのはEUとウクライナの連合協定。 見事に否決され、EU内で反響を呼んでいるようです。

一体どういう経緯でオランダだけこういうことになったのか、と言う疑問を持つ方も多いと思いますが、どうやらオランダでは去年の夏に「議会で決まったすべての法律に対して国民投票を行える」という制度ができたそうで、それを使って今回の国民投票につながったんだそうです(ツァイトの記事参照)。 ただ、国民投票を行うには30万人以上の署名が必要なんですが、人口1700万人の、政治に対する興味の強いこの国では30万人ぐらいの署名はあっという間に集まるそうなんですね。 事実今回の国民投票では48万人分の署名が集まったそうです。

具体的な数値としては約3分の2がウクライナとの連合協定に反対したそうです。 ただ、そもそもの投票率が、選挙結果が有効とみなされる30パーセントをギリギリで超えていた程度らしく、あまりオランダ全体としての意見を反映しているとは言いがたい状況のようですね。 まあこの選挙の結果に法的な拘束力はないようなので、あまり興味がなかった人が多かったのかもしれません。

ただ、オランダのルッテ首相はこの選挙結果を踏まえて、とりあえず現在暫定的に執行されているウクライナとの連合協定に修正を加える意向を見せているようなので、EU全体としての方針もこれで少し変わるのかもしれないですね。

さて、この国民投票は、オランダ国内の問題だけでなく、EUに対する信任投票的な意味合いも強かった強かったため、国際的な反響も非常に大きかったようです。 上に書いたツァイトでは「民主主義の名を借りたエセゲーム」と題した記事になっていて、民主主義の限界(果たしてこれが、この国民投票の結果が法的拘束力を持たないことを言っているのか、この国民投票の結果を拒否するために言っているのかはわかりませんが)と評論していて、ルモンドの記事でもこの結果を嘆いているような論調なので、やはりウクライナとの協調を進めていたフランスとドイツではこの結果をマイナスに見る傾向が強いようです。

逆にガゼタの記事では予想通りの展開、という感じでほくそ笑んでいる感じが強いみたいですね。

ルモンドの記事では、これでイギリスのEU離脱に弾みがつくのではないかと心配した論調になっています。 事実イギリス独立推進派や、フランスの極右政党はこの結果を祝福しているようなので、今後、その方向に事態が進んでいかないか心配ですね。

実は僕の元同居人も最近オランダに行ったんですが、現在オランダ人の同居人9人と住んでいて、彼女の話によると、周りは否決側に回ったようです。 実際僕も賛成か反対かと聞かれると、やはり民主主義で決まったわけではない現在のウクライナ政府と連合を結ぶというのにはちょっと拒否感があります。 事実EU自体独裁政権を批判しているわけですからね。 キエフがEUよりの町であったことをいいことにクーデターであっさり政権が変わってしまったことを肯定するのは難しい気がします。 ただ、じゃあオランダがEU離脱に向かうかと聞かれると、それはそれで別問題ですよね。 僕としてはこの異なる二つの件が同一視されないことを願うばかりです。

4月6日 増える死刑執行数

ルモンドより

Auguste Vaillant execution死刑制度ってあるじゃないですか。 今年の初めぐらいに僕のサイトでもここの記事で紹介したわけなんですが、死刑制度を廃止する国自体は減っていっているのに、死刑執行数は逆に増えていっているそうです。 その時の記事は2014年の話でしたよね。 今回アムネスティーインターナショナルの最新の記事が出て、それによると2015年は2014年からなんと50パーセント以上も死刑執行数が増えたんだそうです。 中国は国家機密として数を公表してないんで含まれないそうなので、中国を除いた全世界での合計執行件数は1634件(多分僕が前に書いた2466件は中国も含んでいるんだと思います)。

Capital punishment 主に、イラン、パキスタン、サウジアラビアに集中しているんだそうです。

外交努力が続いているイランですが、人権問題などに関してはあまり進歩が見られないようで、死刑問題以外でも国内外から結構批判が集まっているそうです。 まあアフマディネジャド時代からだいぶ色々良くなってるわけですからね、そんなに一気にいろんな話が進むはずもないですね。 サウジに関しては半数以上が外国人労働者なんだそうです。 他の国で外国人を死刑なんかにしたら国際問題に発展しそうなんですがね・・・。

ちなみに右上の地図は死刑制度を(基本的に)廃止した国(緑と黄緑)、10年以上適用していない国(茶色)と死刑執行する国(赤)を表した地図です。 確かに多くの国ですでに死刑制度を廃止したことが伺えます。

Muslim Percent Population非常に興味深いのが、この地図を国内におけるイスラム教信者の割合(緑が濃ければ濃いほどイスラム教信者の割合が高い)の地図と比べると、共通性があるのが伺えますね。 まあ死刑制度を正当化する際にイスラム教えを持ち出す国もあるみたいですからね。 イスラム教圏以外の主要な国では合衆国、日本、中国、インドといったところでしょうか。

バンキムン国連事務総長は「死刑制度は不公平で基本的人権と相いれないということを強く訴えていかなければならない(原文:We must continue to argue strongly that the death penalty is unjust and incompatible with fundamental human rights.)」(国連ニュース参照)と言っているそうなんですが、確かにヨーロッパに住んでいると死刑制度がないことが当然な気がします。

みなさんどう思いますか? ご意見があれば、僕もとても興味があるのでよければ上の意見箱からよろしくお願いします。

4月5日 イタリア石油掘削の運命

レプッブリカより

Devereux Lagoon (2013) 18石油やガスの掘削っていうとやはり中東やロシアを思い浮かべる方が多いんじゃないですかね。 ここ、ヨーロッパは基本的にそういう話が出る場所ではないんですが、国によっては、例えばノルウェーなどだと結構たくさん石油が出たりするんですよね。 さてフランスのお隣、自然豊かなイタリアなんですが、実はイタリアでも地中海で石油やガスが出るんだそうです。 ただ、いろいろと問題があるようで、果たして石油とガスの掘削を継続するのかどうかを争って国民投票になることが決まったそうです。

この国民投票っていうのが結構ふざけてて、イエスかノーで答えるんですけど、ノーだったら開発中止だと思うじゃないですか。 ところが、正式には「仮にガスと石油が残っていたとしても、行政の許可が出た場合、現在作業中のイタリアの石油油田を閉めた方がいいと思いますか?(原文:Volete che, quando scadranno le concessioni, vengano fermati i giacimenti in attività nelle acque territoriali italiane anche se c'è ancora gas o petrolio?)」と言う質問で、要するに「はい」だと開発中止、「いいえ」だと開発続行というちょっと落とし穴みたいな質問形式になっているんですよね。

数ヶ月前から続く論争なんですが、これがイタリア世論を二分しているそうです。 まず片側にはこの石油による雇用に期待するグループが集まっているわけじゃないですか。 多分イタリアとかだと政治家とかがバンバン入ってるんだと思いますが。 もう片側は、環境団体などはもちろんのこと、イタリアならではの観光業につく人たちや、漁業につく人、文化遺産関係の仕事をする人が集まっているんだそうです。 現に、イタリアの観光業はイタリアのGDPの約1割、漁業は約2・5パーセント、文化遺産関係が約5・4パーセントになるということで、合計でイタリアのGDPの6分の1ぐらいになるんですかね。 そのぐらいの人たちが影響を受けることになるかもしれないんだそうです。

まあ石油業界側は石油業界側で環境問題には発展しないと言っているのと、アドリア海の陸地からだいぶ離れたところでやるだけだから大丈夫だと言っているそうです。

結局この石油とガスがどのくらいイタリア経済に貢献するのかも、環境問題にどのくらい影響を及ぼすのかも、さらには観光業に影響が出るのかどうかも、この記事を読んだ感じだとあんまりわかってないみたいですね。 でもイタリア経済への貢献だけ見た感じだと、石油業界が言っていることにあんまり信憑性がないみたいな感じですが。

全然関係ないですが、この国民投票にかかるお金は約4億ユーロ弱(約500億円)と見積もられているようです。 さすがイタリア、って感じがしますね。

4月4日 外気から飲み水

タイムズオブインディアより

Atmospheric Water Generator diagramユニセフの調査によると、世界中で1日に約1800人の子供が水などの不衛生が原因で亡くなっているそうです。 また、この記事は2013年のものなんですが、インドではまだ9700万人もの人がきれいな水が手に入らないんだそうです。 あんな広大な土地じゃないですか、水道をどこにも引くなんてことはそう簡単には出来ない上に、井戸などを掘っても、飲み水が出る確率は2パーセントから5パーセントほどにしかならないとのこと。 残りはどうやら有害物質が混ざっていたり海水が出てきたりするみたいですね。 そこで、大気中の水分を飲み水に変えるという魔法のような話が出てきたようです。

ウィキペディアの記事などによると、ここで話題になっている機械は、どうやら仕組みは単純にエアコンの排気口から水が出てくるのと同じ原理を利用しているそうで、気圧を下げると温度が下がるじゃないですか。 そこに結露した水を集める、ということみたいですね。 それをオゾンなどで殺菌消毒し、幾つかフィルターを通すと、飲み水が出てくるみたいです。

気になったので、ちょっとネットで探してみたら、バンバン出てきました。 ここのサイトによると、1日に18リットル(気温16度、湿度55パーセントの場合)飲料水を生産できる機械が一台1400ドル(約15万6000円)だそうです。 そんなに高くないっていうか、そもそも1日18リットルって結構すごいですよね。 ただ、消費電力も700ワットとかいうことで、普通のリビングのエアコンぐらいの電力は消費するみたいですね。 これが一日中ついてないといけないと考えると、ちょっと消費電力が大きすぎるような気もします。

このガーディアンの記事などを見ても分かる通り、21世紀は人々が水をかけて戦争をする、と言われているぐらい水不足が懸念されているようなので、今後この技術が世界各地で重宝されるかもしれないですね。

4月3日 スペイン再選挙?

エルパイスより

去年の暮れにスペインで選挙があったことは何度か書いたじゃないですか。 あれ以来どうなったか知ってますか?

実は三ヶ月以上たった今も、連立政権が組めない状況が続いているようです。

さて、まず現状確認から始めると、そもそもスペインって、ファシズム派と共和国派が戦ったスペイン内戦(今でいうと東西の対立と同じですね)みたいなのはありましたが、日本やドイツのような敗戦があったわけでも、民主主義を民衆が勝ち取ったわけでもないんですよ。 正確には、このスペイン内戦の後にフランコ将軍が1975年まで独裁政治をして、本人としてはその後、カルロス一世に政権を譲り、王政復古させる予定だったようなんですが、このカルロス一世、なぜか奇跡の大ドリフトを切って、一気に民主主義に移ったわけなんですね。

というわけで、連合国側とも、枢軸国側とも言えなかった第二次世界大戦の時も含め、スペインではこれまであまり政治的な運動はなかったようで、割と政治もほったらかしにされ、特に民主主義に移行した後の二大政党(社会党、国民党)は、汚職の温床として知られていたようです。

Elias Beach on Mykonosそこに来たのがヨーロッパ金融危機。 割とさっさか話が進んだアイルランドを除くと、スペインはギリシャ、イタリア、ポルトガル、キプロスなどと並んで南ヨーロッパの問題児になってしまったんですね。 どの国も右の写真(ギリシャ)のように観光地として有名で、ゆったりとした生活をしているんですよね。

当然社会保障などが一気に削られることになる中で、汚職問題とか見過ごすわけにはいかないじゃないですか。 そういう意味合いを込めてか、社会主義系の新たな政党が二つ出来たわけなんですが、その結果、右派系の政党が一党(国民党)、左派系の政党が三頭になり、選挙の結果、やはり左派系の政党は票を分配してしまったようなんですね。

さて、ここで第1党の国民党とは誰も組みたくないじゃないですか。 主にラホイ首相が不人気なようですが。

次に来るのが左派系の連立政権ですが、三党合わせても全350議席中の199議席にしかならず、過半数は超えているとはいえ、安定した政権は望めそうにありません。

Time zones of Europeと、いうわけで最後のオプション、再選挙が一番有力になってきているそうで、そのための準備もそれぞれ始まっているようです。 例えば国民党のラホイ首相は、昨日のエルパイスの記事によると、再選した場合、基本的な労働時間を18時までにし、時間のゾーンも、現在中央ヨーロッパに合わせているのを、イギリスやポルトガルと同じタイムゾーンに移す、などという公約をしているそうです(タイムゾーンに関しては右の地図参照)。

ただ、現在のところ、再選挙をした場合でもほぼ同じ結果になる可能性が一番高いらしく、最終的にどのようにこの問題が解決できるのかはよくわかっていないようです。

政治不在に関しては、2010年にも、フランス語系住民とオランダ語系住民の対立が絶えないベルギーで同じような事態があり(wikipedia参照)、合計589日政府がなかったんですね。 ただ、この期間、実は経済成長に関してはEUの平均を超えていたんだそうです。 むしろ政府がない方が国はうまくいくのかもしれません。

4月2日 コーカサスの闘争

ガゼタより

Location Nagorno-Karabakh2今日の話題は全世界のトップニュースで、朝日新聞の記事でも報道されましたが、アルメニアとアゼルバイジャンの戦いっていうのは、お互いの国の面積の小ささ以上に複雑で、この朝日新聞の記事に書かれている衝突よりもはるかに深いんですね。 大雑把に言ってしまうと、アゼルバイジャンの南の方にナゴルノ=カラバフというアルメニア人自治区のような場所があって、そこが発端になってアゼルバイジャンとアルメニアの衝突になったんだそうです。

ここの闘争は、外務省の海外安全ホームページを見てもらっても分かる通り、昔からの危険地帯での戦いなんですね。 そもそもどちらの国も旧ソの国で、当時は特に問題なかったようなんですが、旧ソが崩壊し、アルメニアとアゼルバイジャンという独立した国家が出来てすぐに、民族対立が表面化し、1991年から1994年までアルメニアとアゼルバイジャンで戦争になりました(僕は読んでないですけどウィキペディアの記事参照)。 パッと見た感じ、BBCの記事でも、アルジャジーラの記事でも、今回の紛争に関しては、何が原因で始まったのかよくわかっていない、という感じのようです。 ただ、このガゼタの記事によると、アゼルバイジャンはこれまで、内政がうまくいっていない歳に、アルメニア問題を表に出すことによって、国民の注意をそらす、という作戦を何度か使ってきているが、現在アゼルバイジャンでは、外貨獲得のために政治犯などを釈放するなどのアピールに出ていて、今回の件であえてこれまでの努力を泡にすることはないだろう、という見方から、おそらくアルメニア人の何らかの行動に対して、反応が敏感すぎたのだろう、と予想しています。

さて、僕自身アゼルバイジャンには行っているので、ある程度の知識は取り入れているんですが、この長くから続く紛争に関するロシアの役割が、実はあまりちゃんとわかっていません。 どちらか側にきっとついているんだろうと思っていたんですが、今日の調査で分かった限りでは実際にはそうでもなく、プーチン大統領自身、両サイドに停戦を求めているそうです。 ただ、最近ロシアとトルコの関係が、トルコがロシア軍機を撃ち落としてから一気に悪くなったじゃないですか。 実はアゼルバイジャンっていうのは言語的にもトルコに近いんですよ。 それでトルコとアゼルバイジャンの仲も良いらしく、ロシアはあまり良くは思っていないんだそうです。

非常に興味深いのが、実はアルメニアとアゼルバイジャンの停戦自体ロシアの仲介で行われたこともあって、今回紛争が長引いた場合、ナゴルノ=カラバフにロシアの平和部隊が駐留することになって、事実上ロシアのコントロール下に置かれるのではないか、という意見もあるんだそうです。 そのためか、ガゼタでも「今回の紛争はロシアのためにはならない」と題した記事を大大と載せていました。

この旧ソの民族問題っていうのは意外と複雑で、実は僕もアルメニア人の友達がいるんですよ。 そいつはもう50近くて、教育も旧ソで受けていて、1995年からこっちに住んでるらしいんですけど、実はロシア語しか話せなくて、グルジア生まれで、アルメニアにはまだ行ったことがないとか言ってるんですよ。 え、でもそれじゃあ普通にグルジア人じゃん、とか思うじゃないですか。 彼曰く、違うんです。 グルジアでうまれようが、フランスでうまれようが、親がアルメニア人なら、子もアルメニア人なんだそうです。 そのせいか、グルジア人というと本人は怒ります。

ウズベキスタン人の友達に聞いたんですが、旧ソの形作りができ始めた頃、ウズベキスタンとキルギスの国境は、仮にそれぞれの国が独立した場合、争いが絶えないようにするために、異常な形になったんだそうです。 アルメニアとアゼルバイジャンの問題もそういう狙いがあったのかもしれないですね。

4月1日 仏ビニール袋廃止

ルモンドより

Plastic bags 買い物に行く時ってみなさん自分の買い物袋を持参していますか? ここ、(西)ヨーロッパでは買い物袋がタダということはないっていうのと、そもそも袋をもらうっていう習慣自体がないようで、基本的に家から買い物カバンを持ってくることになっています。 ただ、バラ売りの野菜や果物を入れるための薄いビニール袋はヨーロッパでもただであります。

買い物袋などのプラスチックゴミは、サイエンスの記事によると、廃棄された後15パーセントから40パーセントが海に流れるんだそうです。 また、今年1月に報道されたように、2050年ごろには魚よりも海中のプラスチックゴミの方が多くなるのではないかと予想されています。 さて、そんな中、フランスではスーパーで買うビニール袋を全面廃止するための法改正がなされたそうです。

具体的には7月1日より、厚さが50マイクロメートル以下のレジでもらえるビニール袋が全面禁止になるということです。 また、来年1月1日からは、バラ売りの野菜や果物を入れるためのビニール袋も廃止されるとのこと。 50マイクロメートルってどのくらいや?って感じですが、アマゾンの商品に40マイクロメートルの厚さのビニール袋が売られていました。 (日本で)買い物の時にもらえる一般的に見るようなビニール袋のように見えます。

もちろん環境問題もあるんですが、このビニール袋産業っていうのはもはや完全にアジアの国に移っているそうなので、ビニール袋を廃止しても経済的な影響があまりないというだけでなく、現在ジャガイモ、麦、とうもろこし、ひまわり、わかめなどを原材料にした袋の開発も進んでいて、こちらは当然フランスの産業に直接つながるので、これで経済的な効果も生み出されるのではないかと期待されているそうです。 ちなみにこれらの原材料を使った袋は自然界で分解されるそうです。

また、EUレベルでも2019年末までに、一人当たり年間でビニール袋の消費を平均90枚以下に抑え、2025年末までにはさらに40枚以下にまで減らす指針を出したんだそうです。 ナショナルジオグラフィックの記事によると、海に流れるプラスチックゴミを最も排出してるのはもはや先進国ではないようですが、どちらにせよ海は全世界で共有されている以上、それぞれの国の努力が期待されそうです。 なんにせよ、先進国が平和すぎるせいか、どこの国でも最近の政治家の仕事っていうのはできるだけ敵作りに専念し、何もかもに「脅威」だの「危機」だのをつけるよく分からないプロパガンダを作ることばかりになっている感じですが、ヨーロッパでは政治が責任を持って動いていてくれるっていうのは嬉しいことですね。